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中尾根邦浩
中央執行委員

Webアンケートで組合員もらくらく回答

組合員約28,000人を抱える日本電気労働組合は、できる限り数多くの人たちの意見を反映させた組合活動を心がけています。その重要な手段の一つが、組合員に対するアンケートです。従来はOCRの回答用紙を配布・回収・集計していましたが、この作業で多大な「時間・費用・手間」を要し、本部や支部の執行委員にとって相当大きな負荷となっていたのです。2002年11月にNECソフトのWebアンケートシステム"ACTIVECR"を導入してからは工数を大幅に削減できるようになって問題が解消され、より効果的にアンケートを実施できるようになりました。

プロフィール

日本電気労働組合

  • 本部/東京都港区芝2-31-25
  • 結成/1946年
  • 組合員/28,000人
  • 組織/旧社内カンパニーを中心とした5支部で構成。

随時のアンケートと定期的な賃金実態調査

 NECはITネットワーク統合ソリューションを標榜する企業であり、その従業員を活動の対象とする日本電気労働組合は、ITを活用した運営にもともと意欲的でした。先進的な職場・ユーザーのニーズを反映させ、一連のIT化に取り組むなかでWebアンケートシステムの活用が進められたのです。
 組合は、本部と旧社内カンパニーを中心とした5つの支部で構成され、それぞれにアンケートや調査を実施しています。賃金・処遇検討の基礎となる全社的な賃金実態調査は本部を中心に、また必要に応じて年数回行われるアンケートは本部・各支部の判断で行っています。

 これまで賃金や回答内容など個人情報が含まれるOCRの回答用紙の扱いには細心の注意を払ってきました。組合員は回答用紙を透けない糊付き封筒に封入し、回収されたものを執行委員が一通ずつ手で取り出していました。特に賃金の調査は守秘を徹底するため、各支部の賃金担当者が一人で作業を行うので、かなり負荷が集中していました。
 何千通もの回答用紙には書き間違いなどで、OCR読み込みエラーとなることも数多くありました。そこでその部分を鉛筆と消しゴムで修正しながら、読み込み作業を行っていたのです。
 回答自体のミスや誤解も少なくありませんでした。回答欄が一つずつズレていたり、選択肢が5つしかないのに6や7と回答することが頻繁に発生していました。特に多いのは「前問で○と答えた方にお聞きします」などの限定選択型の設問で、条件が見落とされる場合です。これらは基本的に無効としましたが、判断に迷う場合もあり、データの信頼性向上や集計作業の効率アップがテーマとなっていました。

 「我々執行部は『これは組合員の皆さまにとってプラスになるか?』を常に自問自答しながら活動しています。アンケートは組合員さんの意見を直接うかがえる重要な機会であり、非常に重視しています。しかし予算も執行委員の人数も限られているなか、悩んでいた時に"ACTIVECR"をご紹介いただいたのです。"ACTIVECR"はHTMLの知識がなくても設問のページが作成できますし、データの収集・集計も自動化できます。導入に当たっては組合員さんにも報告・了承いただき、2002年11月から稼働しました。結果は予想以上でした」と中央執行委員の中尾根邦浩氏は語っています。

“ACTIVECR”でアンケート工数を削減

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 "ACTIVECR"のユーザーインターフェイスはユーザーフレンドリーであり、その操作方法も容易です。導入に当たっては、組合向けにマニュアルを整備するとともに、各支部の調査・賃金担当者全員に対してNECソフトによる導入教育を1日行いました。また"ACTIVECR"自身がアンケート作成・回収・分析の基本的な機能を備えているので、設問・条件を入力するだけで簡単にアンケートが作成でき、支部独自での実施が容易になりました。
 従来のOCR方式では印刷・配布・回収に多くの時間と工数がかかっていました。これらがほとんど省かれた結果、OCR用紙の手配から回収・読み込みまで約 2ヵ月かかっていた準備期間が約3週間と大幅に短縮されました。その結果、これまで集計にかけていた時間を結果の分析に当てることができるようになりました。
 「"ACTIVECR"でのアンケートの実施に当たっては、対象者管理も重要です。誰が答えているかの情報が必要な一方、何と答えているかはわからないようにしなければなりません。そのための認証機能としてNEC認証ディレクトリを基に、回答者が組合員であるか判別する機能を付加し、回答者管理と回答内容管理を分離するようカスタマイズを行いました。具体的には認証ディレクトリと同時に組合で管理している名簿とも突き合わせ、対象者か否かの結果だけを暗号化して"ACTIVECR"に渡すようにしています」(中尾根中央執行委員)
 組合員に対するアンケートのお願いも、効率が大幅にアップしました。前述の「誰が答えてくれたか」の管理が容易になった結果、従来のホームページやメルマガでのお願い以外に、効果の大きい個人宛の「お願いメール」を発信できるようになりました。
 導入の結果、回答率が落ちるようでは問題ですが、概ね従来のOCR方式と同じ回答率(約6割程度)を維持しています。ただ、職場でパソコンを使いづらい現場の方や、出向や育児休職などで社内ネットにつながらない方も、未だ少なくありません。このような方には回答用紙をメールやFAXで送って対応していますが、回答者が特定しやすい・対応に工数がかかるなどの点が検討課題として残っています。

短いサイクルを活かし、効果的な活用を

 設問決定から集計までのサイクルの大幅な短縮を活用し、特定の課題に関連の深い組合員のみ抽出して短期間で限られた内容のアンケートを行うなどの活用法も今後考えられるようになりました。また、設問「案」の段階で少人数に試行し、より的確な設問に改善した上で、対象者全員にアンケートするというような活用法も考えられます。
 「従来のアンケートでは『準備作業が大変だから』と、1回のアンケートにあれもこれもと多くの設問を用意してしまい、回答者の負荷が高くなりがちでした。これも短いサイクルを前提に、設問を絞った形に改善を図っていきます。またWebアンケートという形式は、紙に手で書くより楽なためか、自由記入意見を寄せる方が顕著に増え、非常に参考になっています。中には誤解に基づく指摘もありますが、執行部にとっては組合員の『生』の言葉は重要です」(中尾根中央執行委員)
 企業が厳しい経営環境のもとにあるいま、労働組合もまた原点に立ち返ることが求められています。多様な年代、異なるワークスタイルなど幅広い層の組合員が本当に何を考え、感じているかをこれまで以上に精確に把握する必要があります。そのうえで、何を維持し何を改善していくかを追究し、働く人たちの地位向上を図っていかなければなりません。
 そうした使命のもとにWebアンケートが果たす役割には大きなものがあります。日本電気労働組合の先進的なIT事例が、組合員の満足度向上に貢献していくものと期待されます。

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