
株式会社ビデオリサーチ
マーケットリサーチ
事業局調査部
専門職部長兼
ネットリサーチ担当課長
楠木 良一様
インターネットを「メディア」「調査手法」の2つの側面からとらえる
メディアとしてのインターネットを量的・質的に把握
ビデオリサーチでは、インターネットをテレビや新聞などにつながるメディアの1つとして捉え、1999年にインターネット・オーディエンス測定事業を行うグループ会社として株式会社ビデオリサーチネットコムを設立、ユーザーのインターネット利用状況データの提供を行っています。
ビデオリサーチネットコムのインターネット・オーディエンス測定データは、「インターネット市場の変化を多角的に分析したい」というWebマーケティングにおけるニーズに合わせ、サービスを行っています。例えば、現在多くのサイトはログを集計して、自社サイトにどのくらいアクセスがあるかを把握しています。しかし、一方でそのアクセス数が客観的に多いのか少ないのかを判断し、またアクセスしてきた人たちがどのような特性を備えているのかを把握するのにはまた別のデータが必要となります。
そこで必要となるのは、自社サイトだけではなく、自社と他社サイトのアクセス数を見比べ、次に「自社サイトはどのような人たちを呼び込んでいるのか、他社はどうなのか」について同じ基準から判断できるようにする、量と質の2つの面から自社サイトのポジショニングを把握することのできるデータということになります。
ビデオリサーチネットコムではこれらに対応するサービスとして、「Web Report」「Web PAC」というサービスを提供しています。Web Reportはサイトへのアクセス状況を量的に見るもので、サイトのアクセス数ランキングを把握したり、自社と他社のサイトのアクセス数を比較したりすることができます。また、Web PACでは、サイトにアクセスしてきた人たちがどのような特性を備えているのかといった「質的要素」を細かく掘り下げることが可能となっています。
- プロフィール
-
株式会社ビデオリサーチ
- 本社/東京都中央区入船2-1-1
- 設立/1962年
- 業務内容/テレビ視聴率調査をはじめとするラジオ、新聞、雑誌、屋外メディアなど各種媒体の接触調査や媒体評価調査などを行うメディアリサーチ事業。
消費者動向や商品力の市場調査および広告・プロモーションをサポートするマーケティングリサーチ事業など。インターネット・オーディエンス測定事業を行うグループ会社として株式会社ビデオリサーチネットコム(1999年設立)。
有効なWebマーケティングデータを目指して

「Web Report」は、日本全国6,000世帯約10,000人をパネルとして、サイトへの接触状況を性別、年代や職業、エリアといった基本特性別に集計分析するためのサービスです。対象パネルは日本全国3,802万人の家庭内PCインターネット利用者の縮図となるように設定されています。
パネル(ユーザー)のパソコンには調査用ソフトがインストールされており、URLや時刻などサイト接触データを記録します。データはほぼリアルタイムにビデオリサーチネットコムの集計センターに送信されて分析が行われます。
サービスの基本的な機能としてはサイトごとに、
- 推定接触者数:何万人のユーザーがアクセスしているか?
- 接触者率(リーチ):ユーザーの何%の人がアクセスしているか?
- 平均接触回数(フリークエンシー):ユーザーは平均何回アクセスしているか?
- 平均滞在時間:ユーザーはサイトで何分間視聴を行っているか?
- 平均視聴ページ数:ユーザーはサイトで平均何ページ視聴しているか?
- 延べ視聴ページ数:サイトの推定PV数
といったデータを基本特性別に分析できるようになっています。
また、その他の機能としては、「ユーザーがどのサイトから流入してきて、どのサイトに流出したか(流入流出分析)」「他サイトとの重複状況(重複分析)」「複数週においてアクセス数がどう違うか(トレンド分析)」「時間帯ではどうアクセス数が推移しているか」などの分析が可能となっています。
さらに、Web Reportで集計可能な基本特性に加えて、商品所有やライフスタイルといったより詳しいプロフィール項目を切り口として、サイト接触状況を質的に分析するシステムが「Web PAC」です。Web Report調査パネルの約6割、6,000人のデータを、「対象となるサイトの接触者がどのような商品を多く所有しているか」「ある商品を所有している人はどのサイトに多くアクセスしているか」「対象サイト視聴者が他にどのようなサイトを視聴しているか」などを分析することができます。
有効なマーケティングリサーチ手法としてのインターネット
メディアとしてのインターネットに対するもう1つの側面が、「マーケティングリサーチの手法としてのインターネット」です。インターネットリサーチは、圧倒的な低コストとスピードで大量のデータを収集する方法としてその利用範囲を広げつつあります。
ビデオリサーチでも1996年頃から社内のプロジェクトなどでインターネット調査の実験を繰り返し行い、従来手法との比較、回答の傾向の研究・分析を通じて手法としての特質理解を深めるとともに、アンケート作成や運営方法などの実施ノウハウを蓄積してきました。そして2000年の秋から、 ONLINE-ACCESSというインターネット調査パネルの募集を開始し、本格的なサービスに乗り出しています。
最近は、データの信頼性、手法としての特質を生かした新しい調査を志向する傾向、インターネットリサーチの本質を明らかにするための研究など、手法としての質が問われるような時代になっているといえます。手法としてのインターネットリサーチの質を考える上では、調査パネラー、調査システム、それを運用する人材とノウハウ、そして実施プロセスをどのように管理するかが重要です。
以前から多数の調査パネルを持ち運用してきたビデオリサーチでは、それらの資産とインターネット時代になって新たに加わった資産をいかに統合し活用していくか、また、2wayのコミュニケーションが可能な時代に、パネラーとの良好な関係をいかに構築し、調査の精度・質を高めていくかは大きな課題です。これらを統合・一元管理し、One Source Multi Use、Multi Contactを可能にするデータベース管理システムや複雑で高度なアンケートを手軽に作成できるソリューションは、インターネットリサーチだけではなく、マーケティングリサーチ全体の質的向上をはかる大きな武器になるだろうと見ています。
インターネットリサーチ事業の展開について

メディアリサーチ事業局
インターネット事業推進部
森谷 東二郎 様
ビデオリサーチでは、高品質でオリジナリティのあるサービスを提供することを計画しています。既に昨年から展開されているMind-TOPというインターネットリサーチによるブランド管理のための調査は、カテゴリーを刺激語としてブランドの想起(知名)と考慮(選択)の集合という非常にシンプルな調査ですが、広告の短期効果・長期効果を分析するもので、結果の提供もWebで行っています。これは同一パネルに対して継続調査を行うというインターネットリサーチだからこそ可能な調査であり、そこから引き出されるインテリジェンスを有効に活用している例だといえます。
また、既に出来上がっているシステムとしては、DRM(デジタル著作権管理)のシステムをリサーチに適用し、ネット上のデジタルコンテンツを保護(コピーや印刷などの不正利用を防止)しつつ調査を実施する仕組みや、CMなどの動画コンテンツの評価(好き/嫌い、よい/悪いなど)を0.1秒単位で調べる興味反応測定システム、Web版コンジョイント分析システムなどがあり、これらをパッケージ化してデータユーザーに手軽に使ってもらえるサービスとして提供していく計画です。
インターネットリサーチは、まだ手法として確立したものではなく今後も変化していくものだと思われます。変化するそれぞれの局面で、データから何を引き出せるのか、その有効性と限界を的確に指摘することによって、インターネットは手法としての信頼性を一層高めていくのではないでしょうか。強力なマーケティングツールとして活用される機会はますます拡大していくと考えられます。
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