
宮下 秀昭
桜美林学園
消費生活協同組合
専務理事
学生の、学生による、学生のためのメールサービス
本当に使う側にとって有益なコンテンツを発信するためには、ユーザーの側に立った情報を流すことが必要です。こんな当たり前のことも、いざ実行するとなると決して簡単なことではありません。桜美林学園消費生活協同組合(以下、桜美林生協)と横浜市立大学生活協同組合(以下、横浜市大生協)では、NECソフトの携帯電話情報配信ASPサービス「CueBit.Net(キュービットドットネット)」を利用し、学生自らがコンテンツを考え提供するという方法でメール配信サービスを開始。1年数ヵ月で約1,000名のユーザーを獲得する(桜美林生協)という成功を収めています。
- プロフィール
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桜美林学園消費生活協同組合
- 本部/東京都町田市常盤町3758
- 創立/1971年
- 組合員数/約6,600人
- 店舗/購買・書籍部の1店舗
横浜市立大学生活協同組合
- 本部/横浜市金沢区瀬戸22-2
- 創立/1961年
- 組合員数/約5,500人
- 店舗/2ヵ所、食堂/3ヵ所(金沢八景キャンパス、福浦キャンパス)
会員制メールサービスに最適なシステムとの出会い
大学生生活を送ったことのある人なら、大学生協のお世話になったことも多いはずです。そんな学生のキャンパスライフと密接につながっている大学生協ですが、最近では学校の近くにコンビニエンスストアなどの競合相手が増えたことや学生の意識の変化などによって、なかなか厳しい状況にあるのも事実です。
「目的は売り上げをアップさせることでした。そのためにはまず学生さんたちに生協の存在をもっとよく知ってもらうことだと思い、何かコミュニケーションできるツールはないだろうかと考えはじめたのがきっかけでした。現在の学生さんはほぼ全員が携帯電話を持っていますし、メールのやり取りも当たり前のことになっています。そう考えると、携帯メールサービスは、アプローチの手段としてこれ以上のものはないと感じたわけです」と語るのは、桜美林生協の携帯メールサービス“桜Web”と横浜市大生協の携帯メールサービス“よこいちWeb”の生みの親である田中義信横浜市大生協専務理事。
当時桜美林生協の専務理事だった田中専務理事は、そうした中でNECソフトの携帯電話でOne to Oneコミュニケーションを実現するモバイルマーケティングツール「CueBit.Net」と出会ったのです。
その際に、
- ASPサービスなので初期投資が小さくて済む
- 携帯電話を使ったサービスなので手軽に導入できる
- i-mode、J-スカイ、EZwebの3つのキャリアに対応している
などの理由から生協のような限られた会員を対象とするメールサービスでは最適と判断し、2001年10月に導入を決定しました。翌2002年1月から桜美林生協の会員向け携帯メールサービス“桜Web”を開始。両校の生協が所属する大学生協東京事業連合66大学生協のトップを切ってのスタートでした。
“桜Web”はサービス開始から1年数ヵ月が経過し、会員は約1,000名に達しています(2003年5月現在)。これは桜美林生協の会員6,600名の約6分の1に当ります。
「現在のところまだ売り上げアップに直接的な効果があるというわけではありませんが、これだけ短期間で会員数を増やすことができたのは、それなりに生協の存在をアピールできている結果だと思います。それが証拠に、サービス開始前に比べて一日の来店客数が約20人も増えています」(田中専務理事)
現桜美林生協の宮下秀昭専務理事も「短期間で多くの会員を集めることができたことに驚いています。また、会員だけのメールサービスですので、迷惑メールになることもなく、学生さんたちも生協のメールだからと、安心して見てくれます」と、携帯メールサービスが会員を対象とした情報発信には有効なツールであると強調します。
等身大の言葉で語れる情報を流すことが大切

横浜市立大学
生活協同組合
田中義信
専務理事
これだけの短期間で多くの会員を集めることができたのは、情報を発信する側に学生を起用したことにあります。「情報を受け取るのが学生さんなのですから、喜んでもらえる情報を流すためには、学生さん自身に情報発信源になってもらうのが当たり前だと考えました」(田中専務理事)
とはいえ、当初ははじめての試みでもあり、メールを発信する側に立った桜美林大学4年生(当時2年生)の瀧川真之さんにとっては、しばらくは試行錯誤の日々だったようです。「何を送ったらよいかわかりませんでした。だから最初は生協の営業時間やスクールバスの時刻表、生協のお買い得品情報などの実用的な情報ばかりでした」(瀧川さん)
しかし、数ヵ月後には学生が喜ぶ情報が徐々に登場し、現在では映画や音楽、レジャー、占いなど趣味の情報も増え、学生にとって本当に身近なメールマガジンになってきています。メールの更新は1週間に1度、原則的に月曜日に行っています。
「正しい情報を伝えることはもちろんですが、それと同時に、友達同士のメール感覚というか、等身大の言葉で伝えることも大事にしています」というのは、桜美林大学2年生で瀧川さんとともに情報を発信している遠山しほりさん。
一方、桜美林生協より少し遅れて今年1月から本格的にメールサービスを始めた横浜市大生協でも、情報発信を担当しているのは3年生の須藤陽介さんです。「横浜市大では“何でも相談室”という『入学式に何を着ていったらいいのか』『初めての講座を受講する手続きはどうしたらいいのか』といった学生の素朴な疑問に答えるコーナーもリンクの形で提供しています。また、キャンパスが2つに分かれていますので、それぞれに有益な情報を流すように心がけています」と、こちらも学生の立場に立った情報発信が基本です。
HP、携帯、店舗を有機的につなげて発展へ

メールサービスの携帯電話画面
学生諸君と一緒に
会員である桜美林大学の学生からは「毎週楽しみにしている」「このメールを見ると、自分が桜美林生なんだと実感する」などの励ましのメールが“桜 Web”には届くようになり、また情報発信を担当する2人はそれぞれ“takky”“shihorin”のハンドルネームで、すでに学園のアイドル的な存在になっています。
「今後は定着しつつあるという現在の成果を前提にホームページ、携帯メールサービス、店舗の3つを有機的につなげる形で発展させていきたいですね」(田中専務理事)。「情報の区別や差別をせず、またあまり力まずに、ゆるやかにあるがままに進めていきたいと考えています」(宮下専務理事)
携帯電話という学生にとってもはや体の一部のようになっているものを媒体にし、そこに学生自身が情報を発信していく。そして大きな投資を必要とせず、有機的に情報と人(学生)を結びつけていくための「CueBit.Net」というASPサービスがバックボーンとして存在する。これらがピタリと大学生協というビジネスと合致した。この両生協の事例からはそんなことが見えてきます。
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