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オリックス自動車株式会社様

オリックス自動車 髙山 光正氏
オリックス自動車株式会社
レンタカー営業本部 
カーシェアリング部 部長
リース営業本部 テレマティクス担当
髙山 光正氏

リース車両の効率的な管理を実現し、エコ経営やCSRへの対応にも貢献できる新サービスを開発

オリックス自動車は、日本最大の60万台以上の車両を保有し、リース事業は業界1位、レンタカー事業は業界2 位、カーシェアリング事業では業界トップを走る自動車関連総合サービス会社である。そのオリックス自動車が、2006 年10月、法人向け自動車リースの付加価値サービスとして開始したのが「オリックス テレマティクス サービス」だ。車両の運行状況や燃費を表やグラフで表示し、省石油や労務管理、安全運転に活用できる。ガソリン価格の高騰、環境意識の高まりといった時代の意向を反映し、予想を上回る成長を続けている。

プロフィール

オリックス自動車株式会社

  • 本社所在地:東京都港区芝3-22-8
  • 設立:1973 年6 月
  • 資本金:5億円

企業の社会的責任(CSR )が問われる時代を見通して開発に着手

  オリックス テレマティクス サービス(以下テレマティクスサービス)は、オリックス自動車が提供する法人向け自動車リースの付加価値サービスの1つです。契約車両にはGPS機能を備えたタバコサイズの車載装置が取り付けられ、走行距離や消費燃料などの基本データが収集されます。

車載装置
テレマティクスサービスで利用されている車載装置。自動車のOBD2 コネクタに接続してデータを収集、センターに送信する

 収集されたデータは携帯電話網を使ってデータセンターのサーバーに送信され、集計・分析を経て表やグラフに加工されます。契約ユーザー(契約企業の管理者やドライバー)にはIDとパスワードが発行され、PCからWebブラウザを使ってログインし、走行データや燃費データを確認できる仕組みです。 オリックス自動車がテレマティクスサービスを開発するに至った1つの契機は、経済産業省が主導する電気自動車共同利用実験への参加でした。そのメインテーマは電気自動車によるカーシェアリング(※注)の実証実験でしたが、その開発過程でテレマティクスサービスのアイデアが生まれたと、レンタカー営業本部 カーシェアリング部 部長/リース営業本部 テレマティクス担当の髙山光正氏は言います。 

「カーシェアリングでは車両の走行距離や使用燃料などを管理する必要があるため、自動車に車載装置をのせ、走行距離などのデータを携帯電話の通信網を使ってサーバーに飛ばして収集・分析するのですが、この仕組みを使ってリース車向けの新しい管理システムを構築できないかと考えたのが、もともとの発端でした」(髙山氏)。

 カーシェアリングのシステム開発では、NECソフトがサーバーの構築・運用を行っていた経緯もあり、ごく自然な流れでオリックス自動車とNECソフトの二人三脚によるテレマティクスサービスの開発がスタート。当初は、ビジネス化できるかどうかも含めて検討を要する実験的意味合いの強いプロジェクトでしたが、CO2削減をはじめとする環境意識の高まりが、プロジェクトを前進させる大きな力になりました。

 「大気汚染防止、地球温暖化対策、省石油などの時代背景を考えると、今後は、ガソリン使用量の抑制、安全運転や法令遵守など、クルマを使用する企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)が強く問われる時代になるだろうという認識が、プロジェクト発足当時、強くありました。特に内部統制の推進を目指す企業にとって、テレマティクスサービスが価値のあるサービスになり得ると考えたのです」(髙山氏)。

 サービス開始は2006年の10月ですが、初期費用が1台あたり3,000円、毎月の費用が1台あたり2,500円と、非常にリーズナブルな価格設定がなされていることもあり、契約企業は当初の予想を超えて急激に伸びています。また、テレマティクスサービスのベースとなったカーシェアリング事業も急成長しているということで、両事業ともこれからの時代にフィットしたサービスとして、ユーザーに広く受け入れられていくと予測されます。

※注 1 台の自動車を複数の会員が共同で利用する自動車の利用形態のこと。利用者は自動車を所有せず、管理団体の会員となり、必要なときに自動車を借りる仕組み。1987 年にスイスの学生の間で始まったとされ、ヨーロッパを中心に世界中に広まりつつある。

コンプライアンス強化、CSR対応、コスト削減に寄与する新しいサービス

 テレマティクスサービスを利用することによるユーザーのメリットは、大きく4つあると髙山氏は言います。

テレマティクス画面
テレマティクスサービスではリース車両の利用状況やドライバーの危険挙動、エコドライブへの対応状況などがひと目でわかる

  「1つは、やはりエコドライブの実現です。収集したデータをもとに燃費ランキングを出したり、空ぶかしや急加速の数などをグラフ化して“エコドライブ度”を自己診断したりできますので、ドライバーはゲーム感覚でエコドライブを実施できます。結果的にガソリンの節約につながるのはもちろん、企業のCSRへの対応にも寄与します。 2つめは労務管理の効率化です。行き先がわかる運転日報が自動作成されますので、ドライバーの運行状況を逐一把握することができます。 3つめは安全運転の徹底です。最高速度や急加速・急減速などの危険挙動が記録されますので、危険運転の抑止効果が期待できます。 そして4つめは適正台数の分析です。たとえば10台の車両をリースしているものの、常時稼働しているのは8台で、10台稼働するのは繁忙期に限られるといったケースは珍しくありません。そのような場合は、リースを8台にして、繁忙期には2台をレンタルにすることで全体のコストを抑えるといった対策が打てるようになります」(髙山氏)。

 テレマティクスサービスで得られたデータは、オリックス自動車でも積極的に活用されています。たとえば、お客さまに車両の適正台数を提案する際の基礎データとして活用されたり、燃費改善などのコンサルティング的な活動の資料としても利用されているということです。

テレマティクスシステム図

車載装置によるデータ収集とデータ送信に苦労

オリックス自動車

 システムの開発は、NECソフトのエコドライブ&車両管理システム「DriveManager」をカスタマイズする方法で進められました。DriveManagerの基本的な仕組みはそのままに、表示する情報を変更したり、車載装置による調整を行いました。実証実験では、実際に自動車に車載装置を取り付けて何度も走行実験が繰り返されましたが、車載装置によるデータ収集とデータ送信の部分で、特に苦労が多かったと言います。

 「車載装置は、OBD2というクルマの故障診断口からデータをとっています。コネクタ形状は共通ですが、流れている情報の種類やルールが自動車メーカーや車種ごとに異なるため、データをいかに標準化するかに苦労しました」(髙山氏)。

 OBD2は自動車が故障したとき、故障箇所を調べることのできる故障診断用コネクタです。1996年以降、アメリカで販売される自動車に装着が義務づけられたため、北米輸出用の車両から搭載が開始されましたが、現在は国内の自動車にも標準搭載されています。ただし流れるデータが標準化されていないため、システム構築の際には、自動車メーカーや車種ごとに調査を行う必要があり、非常に手間がかかりました。

 また、本システムではデータ送信に従量(パケット)課金制の携帯電話網を利用するため、送信データ量をいかに抑えるかも重要なポイントでした。そこで、走行時は車載装置にデータを記録・蓄積し、エンジンが切れるとデータを前処理して送信する仕組みを採用しました。具体的には、エンジンのオンからオフまでを「トリップ」という単位で区切り、エンジンが切れると1トリップ分のデータが携帯電話網に投げられる仕組みです。ところが、実験段階でこの仕組みが思わぬ問題になったと、開発にあたったNECソフト 第一官庁ソリューション事業部 第二システム部 プロジェクトマネージャーの矢木義規は言います。

 「エコドライブの代名詞ともいえるアイドリングストップをドライバーが繰り返すことで、トリップが細切れになることがわかったのです。アイドリングストップのたびにデータが送信され、データ量が増えてしまうため、アイドリングストップを検知し、複数のトリップをつないで、まとめて送信する仕組みを取り入れました」(矢木)。

 その他にも、急ブレーキをかけたときの加速度の計算方法が車載装置によって異なるなど、ハードウェアの細かい機能の違いにも苦労したとのこと。現在も、新しい車種が導入されると、調査を行って車載装置のチューニングを行い、サービスのクオリティ維持の作業が継続されています。

常にお客さま目線でニーズをつかみ、システムに反映していくことが必要

ORIX Carlife Plaza MARUNOUCHI
東京・丸の内にあるORIX Carlife Plaza MARUNOUCHI。カーシェアリングをはじめ、マイカーリース、レンタカー、認定中古車など、オリックス自動車の事業について聞くことができる

まさに「時代が追いついてきた」という印象のテレマティクスサービスですが、導入した企業では、実際に省石油や事故削減などの効果が出ているのでしょうか。 「燃費に関しては、実はちょっとドライバーが意識するだけで10%程度はすぐに改善するのです。今までは使用したガソリン量程度しか把握できなかったのに対し、このシステムを導入すると、人単位、クルマ単位での燃費データがわかりますから、効果はすぐに現れます。安全運転に関しては、実際に事故が減ったという報告も受けています」(髙山氏)。

 省石油に地球温暖化対策など、環境意識の高まりは今後も変わることはないでしょう。企業の社会的責任が、これまで以上に強く問われる時代になることも間違いありません。2年前、こうしたニーズを的確に読み取った髙山氏は、これからもユーザーのニーズに応えていくには、まだやるべきことは多いと言います。

  「お客さまのニーズは時代とともに変わります。これに的確に応えていくには、常にお客さま目線でニーズをつかみ、そのニーズに応えられるシステムに変えていかなければなりません。ただし、バンや小型乗用車系の営業車両をリースされているお客さまは、コストには非常にシビアですから、常にコストを意識して、機能の改善、新しい機能やサービスの開発につとめたいと思います。その意味でも、このシステムを熟知しているNECソフトには、引き続きご協力いただければと思います」(髙山氏)。

 急激に伸びているとはいえ、テレマティクスサービスそしてその母体となったカーシェアリング事業は、まだまだこれからの市場です。今後、さらに市場が拡大すれば、ユーザーのニーズも多様化し、必要とされるシステムも変わっていくことでしょう。その意味では、オリックス自動車とNECソフトの二人三脚でスタートしたプロジェクトのゴールはまだまだ先と言えるのかもしれません。

システム担当より

NECソフト 矢木 義規

NECソフト株式会社
第一官庁ソリューション事業部
第二システム部
プロジェクトマネージャー
矢木 義規

オリックス自動車さまとは、カーシェアリング事業からのおつきあいです。当初は実験的な意味合いの強かったテレマティクスサービスですが、CO2削減をはじめとする環境意識が高まる中、我々自身も驚くほど急速にお客さまが増えていますので、よりいっそう責任も感じています。今後も、機能はもちろん、常にコストを意識して、急成長する本サービスをシステム面でしっかりサポートしていきたいと思います。

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