
東京本社
情報ソリューション部
営業・工事情報
ソリューショングループ
福永 哲夫グループ長
事業効率の向上と競争力の強化をもたらすDWHの導入で徹底的な情報の有効活用を実践
国内建設投資の減少傾向や価格破壊、市場のオープン化、発注形態の変化など、建設業界を取り巻く環境は、今、大きな変革の波にさらされている。その中にあって、いち早く情報通信インフラの環境整備に取り組む大林組が、プロジェクトに対してコンカレントな事業推進体制で臨むことで、高い付加価値を持つ提案を実践し、競争力を高めるために、工事情報システムのDWH化に挑んだ。
- プロフィール
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株式会社大林組
「1.創造力と感性を磨き、技術力と知恵を駆使して、空間に新たな価値を造り出す。2.個性を伸ばし、人間性を尊重する。3.自然と調和し、地域社会に溶け込み、豊かな文化づくりに寄与する。これらによって、生活の向上、社会の進歩と世界の発展に貢献する。」という企業理念のもと、「人と、自然と、技術が織り成す新たな空間価値の創造へ」取り組む建設業大手。
- 本社所在地/東京都港区港南2‐15‐2
- 設立/1936年12月
- 創業/1892年1月
- 資本金/577.52億円
- 社員数/9,960名(2004年3月現在)
- 事業内容/国内外建設工事、地域開発・都市開発・海洋開発・環境整備・その他建設に関する事業、およびこれらに関するエンジニアリング・マネージメント・コンサルティング業務の受託、不動産事業ほか
情報通信インフラの整備に注力し、情報有効活用を目指す「技術の大林」
1892年の創業以来、110年以上の歴史を通じて常に建設業の新しい時代を切り拓いてきた大林組。レンガ造りの東京駅をはじめ、甲子園球場、大阪城、シドニーオリンピックのメインスタジアムなど、常に時代のシンボルやランドマークとなる建物を数多く手掛けています。「技術の大林」として傑出した施工管理技術を基盤に最新工法を駆使して新しい時代の創造に挑戦を続けている一方、ゼロ・エミッションの推進をはじめとする地球環境問題への対応やPFI ※の展開など、新しい取り組みにも果敢に挑戦しています。
そんな同社は、事業効率の向上と競争力の強化に向けた情報化にも積極的で、いち早く情報通信インフラの整備に注力。2003年には拠点間を結ぶ広域 LAN、現場や営業所はVPN経由というネットワークを構築し、その環境と経営資源である情報をいかに有効活用するかという新たな課題に向け、工事情報システムのDWH化に挑みました。
工事情報システムをDWH化して情報検索・分析の自由度を高める
「2003年にそれまでのACOSホストからのダウンサイジングを予定しそれに伴って発注者や工事物件などの各種データを扱うシステムをDWH化して業務や意思決定のスピードを求めました」と話す、営業・工事情報ソリューショングループの長谷川聡副主査。
同社では情報システム部門が定型業務として工事情報の各種帳票を出力し、担当部門へ配布。それ以外に必要な情報は個別に依頼をかけた上で出力し、各部門が手作業で管理資料の作成や分析を行っていました。「ACOS時代から項目検索の自由度をいかに高めるかという課題がありました」と振り返る営業・工事情報ソリューショングループの福永哲夫グループ長のように、ユーザーがDBを自由に検索できる環境を創出することがポイントでした。
というのも、建設業界には複数パートナーと連携して工事を進めるJV(ジョイント・ベンチャー)案件の情報管理といった特性があり、1,000以上の現場が同時に進行している同社では、発注者・JV構成会社・工種・工法といった複数項目を切り口とした情報の即時把握が急務となっていました。加えて、全国に建設現場があり、その現場事務所の設置や撤廃に伴いスタッフが異動することから、日常的な人事異動に連動したユーザー側の設定などの自動化も考慮しなければなりません。
そこで、汎用機システムの頃からのパートナーであるNECソフトは、ユーザーレベルでも簡単に多様な分析を行うことができ、グラフィカルなレポートを作成することができるBIツール“BusinessObjects”による「新工事情報サービスファイル」システムを提案。2003年当時の最新版 ver.6をいち早く採り入れたシステムとして構築に携わり、2004年3月に、無事カットオーバーに至りました。
DBの連携で定型業務の効率化と意思決定の迅速化を実現
「“BusinessObjects”のデータ抽出・分析機能により、ACOSで作成していた定型帳票の 90%以上を廃止し、帳票の作成、印刷、配信などの業務も省力化することができました。また、ACOSではデータの締切後、ユーザーがデータを検索できるまでに2~3日かかっていましたが、この新しいシステムの導入により翌日には検索可能になりました」と評する営業・工事情報ソリューショングループの南部豊主任や「工事の売上や原価情報を、完工基準から進行基準で検索・抽出可能になり、経営層の意思決定を強力にサポートできるようになった」(福永グループ長)というように、導入された「新工事情報サービスファイル」システムは、同社に数々の成果をもたらしました。また、「工事情報と経理情報システムとの連携にも柔軟に対応でき、満足。これから社内共通インフラとして適用していく可能性が高いですね」(長谷川副主査)という評価から、営業情報システムなどの部門ごとに蓄積されたDBを全社横断的に統合・連携していく施策が進められています。
今後は「DWH化によって個人レベルでDBにアクセスしてExcelに落とし、自分で加工/分析できるまでになりました。次は、この環境を使いこなせる全社的な情報リテラシーのボトムアップと業務プロセスの改善が最大の課題」(長谷川副主査)という目標達成をミッションに掲げている同社。情報化により競争優位を確保し、社会・顧客・社員にとって魅力ある企業になるためのチャレンジは、今後も精力的に続けられます。
新工事情報サービスファイルシステム

事業効率を向上させ、間接コストの削減を図る情報システムとしてBIツール“BusinessObjects”を導入し、貴重な経営資源である工事情報を有効活用。業務プロセスの改善と迅速な意思決定を導く環境に整備し、競争力の強化を目指す社内インフラを構築している。

今回のプロジェクトに 携わった主要メンバー
左から営業・工事情報ソリューショングループ長谷川聡副主査、営業・工事情報ソリューショングループ福永哲夫グループ長、営業・工事情報ソリューショングループ南部豊主任
- ※ PFI
- Private Finance Initiativeの略。
公共施設などの建設、運営、維持管理などを民間の資金や技術、経営手腕を活用して行う新しい事業手法を指す。
システム担当者より

NECソフト ロジスティクスシステム事業部
CRMグループリーダー
荒畑英治
長期ビジョンの下、経営効率の向上と競争力の強化を目指して情報化を積極的に推し進めるお客様とのおつきあいは、単なるシステムの導入だけにとどまらず、業務ノウハウを吸収できる絶好の機会となり、非常に有意義でした。今回のシステムを「社内共通インフラとしてさらに活用したい」というお客様のリクエストに応えるために、より一層、実質効果のあるソリューションをお届けしたいと思います。
NECソフトより
電子化に伴う業界EDI(CI‐NET)や電子納品(CALS/EC)など、現在、建設業界はIT化推進の方向にあり、業界の標準化動向を見据えながら、経営活動と業務活動のシームレスな連携が求められています。そんな中、貴重な既存の情報資産を有効活用しながら生産性の向上や営業力の強化などを図る DWHシステムの導入を果たされた大林組様。建設業界をはじめ多くのみなさまに参考にしていただきたい事例です。
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