
三菱地所リアルエステートサービス株式会社
企画・CSR本部
システム開発室長
小沼 文彦氏
柔軟なシステムとパートナーシップで、部署間や、本社とブランチの垣根を越えた情報共有を実現
不動産分譲・仲介事業の三菱地所リアルエステートサービス株式会社は、早くから社内情報の共有に取り組んできた。かつてはグループウェア上でファイル共有を行っていた同社だが、強力な検索機能を持つNECソフトのナレッジマネジメントシステム「KnowledgeWorld」に移行。社内ポータルサイトとも連携させることで、情報共有が格段に容易になった。
- プロフィール
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三菱地所リアルエステートサービス株式会社
- 所在地:東京都千代田区大手町2-2-1
- 設立:1972年
- 資本金:24億円(2008年3月末現在)
ファイル共有機能を使った情報共有の限界
三菱地所の子会社、三菱地所リアルエステートサービス株式会社(旧三菱地所住宅販売株式会社)は、マンションや一戸建て、住宅地などの分譲・仲介・賃貸・コンサルティングなどを手がけています。

三菱地所リアルエステートサービス株式会社
システム開発室
システム開発チーム 参事
本間 敦氏
全国に営業拠点を持つ同社は、早くから社内情報の共有に取り組んできました。その目的は、個々の営業マンが持つノウハウを共有して効果的な営業活動を行うことにあります。社内にパソコンが普及して初めに行ったのが、グループウェアを利用してファイル共有フォルダを作り、そこに営業に必要な書類を置いておくというシンプルなやり方でした。共有されるのは、例えば成功した営業で使われた手順書や販売データなどです。
しかし、いくつかの理由により、この共有方法はそれほど活用されてきませんでした。まず、各地の営業拠点間でデータを同期させるのが難しかったことが挙げられます。加えて、それぞれの情報は部署ごとのフォルダに分けて格納されており、他部署の社員は必要な情報がどこにあるのか分からず、見つけるには1つひとつフォルダを開いて行く必要がありました。ファイル検索機能も単純で、検索にはかなりの時間がかかっていたのです。そうした使い勝手の悪さから、登録データも利用者も増えないという悪循環に陥っていました。 全国どこからでもアクセスできて、使い勝手の良いシステムは何か。システム開発室 システム開発チーム 参事の本間敦氏はナレッジマネジメントシステムに目を付けました。
「自分が欲しい情報をすばやく見つけるには、やはり検索のしっかりしたシステムが必要です。KnowledgeWorldは、検討しやすい価格帯である上に、検索機能も充実していたこともあって、2002年3月に導入を決定しました」(本間氏)。
システムが部署間、支店間の情報の距離を縮める

新たな情報共有システム導入にあたり、従来のグループウェア上のデータはすべてKnowledgeWorldに移行しました。さらに本間氏らは全国の支店を回って社内セミナーを行い、新システムの活用を約800名の全社員に訴えました。
こうした取り組みもあり、導入から5年以上が経過した現在、KnowledgeWorldは同社の情報共有基盤として根付き、すでに業務に欠かせない存在になっています。登録されている文書の数は12,000を超え、1ヶ月の参照数は43,000件にも及びます。普通にログインして文書を参照する以外に、未ログイン状態で参照するという使い方もできるため、ユーザーはアクセスするための敷居を低く感じているようです。KnowledgeWorldに登録された文書には個別のURLが割り当てられ、メールなどに書かれたURLをクリックするだけで(ログインなしで)文書を参照することができます。もちろん、アクセス権が設定されたファイルは未ログインだと参照できないようになっています。見てもらいたい情報はKnowledgeWorldに載せて、URLをメールで案内するというルールが社内にも浸透しています。
「それまでは社内情報にアクセスしようとすれば、自分から各部署のフォルダまで情報を取りに行く必要がありました。時間のないときなど、そこまでしてアクセスするかというと、しないですよね。しかし、今では社内の情報が簡単に見られます。社内コミュニケーションが格段に取りやすくなりました」(企画・CSR本部 システム開発室長 小沼文彦氏)。
また、従来メール添付でやり取りしていた重要なファイルを情報共有システムに集約することには、システム的なメリットも大きいと言います。
「弊社では、社内メールとしてWebメールを利用しています。ユーザー各人のメールフォルダはサーバー上に作られているため、添付ファイルを利用しすぎると、保存できるメールの容量が減ってしまいます。また、添付ファイルのあるメールが大量に流れると、ネットワークに負担がかかります。システム管理の面からも、ナレッジマネジメントシステムに情報を集約するのはメリットがあります」(本間氏)。
情報の切り口を変えることで、見えてくるもの
情報をナレッジマネジメントシステムに集約して共有する。それは情報に新しい価値を加えることでもあります。KnowledgeWorldでは情報をスペース、テーマ、フォルダという階層で管理していますが、それ以外に「情報種別」という要素を情報に割り当てられるようになっています。例えば、「事例」「プレゼン」といった情報種別を付加しておけば、すべてのフォルダから指定した種類の情報だけをまとめてピックアップできます。
「登録されたフォルダからだけでなく、情報を引き出せます。切り口を変えて情報にアクセスできるわけです」(本間氏)。
文書によっては必要に応じて更新していかなければならないものもありますが、登録された情報は履歴も保存されており、関連文書として呼び出せます。過去の状況と比較することも簡単です。
さらに小沼氏は、情報共有によって社員の意識が変わることを期待していると言います。
「私自身、個人的な興味から様々な社内情報にアクセスするようになりました。どの店舗が一番利益をあげているのか、販売物件は今どれくらい在庫があるのか、そういった情報もすぐに分かります。弊社では物件を地図上に表示してくれるシステムがあるのですが、これとKnowledgeWorldを組み合わせることで、従来見えなかったものも見えてきます。例えば、他の営業担当が登録している物件の情報を地図で見たら、自分の担当物件の隣だったということもあるでしょう。そうしたらその付近一帯をまとめて開発できると気付くかもしれません。情報を手に入れて、自分なりの問題意識を持てる。社員ひとりひとりが経営視点を持つことにつながるでしょう」(小沼氏)。
最近では、社内の情報共有システム上に「ヘルプデスク」を開設。業務上で困ったこと、わからないことを質問できる仕組みも用意されました。あるフォルダで質問が投稿されると、そのフォルダの管理者に回答を促すメールが送られ、スムーズに回答しやすいように工夫されています。
「社内で使う機材の手配状況などもこちらに登録しています。以前はいちいち電話で問い合わせが来たものですが、今はKnowledgeWorldを見てくださいと言えば済みますから、ずいぶん楽になりましたね」(本間氏)。
顧客と二人三脚で情報共有システムを作り上げる
情報共有を効率的に行うため、三菱地所リアルエステートサービスは機能改善の要望を積極的に出し、NECソフトは随時それらに対応してきました。 使い勝手を向上させるのに役立った改良としては、シングルサインオンが挙げられるでしょう。三菱地所リアルエステートサービスが利用している社内ポータルサイトには情報共有システムへのリンクが張られています。現在ではこのリンクをクリックすれば、人事マスタからユーザー情報を取り込み、KnowledgeWorldにサインオンできるようになっています。
先に述べたヘルプデスクでは、問い合わせ状況のステータスが一目で分かるようになっていますが、これも運用を行う中で出てきた要望にNECソフトが対応することで実装されました。
現在のKnowledgeWorldでは、フォルダごとに細かくアクセス権を設定できるようになっていますが、この機能も要望を受けて開発され、その後製品の標準機能として取り入れられたものです。
「部署ごとに共有したい情報や、その形態は日々変化していきます。システムはそれに柔軟に応えられないと使われなくなってしまいます。その点、カスタマイズの要望を出すと、NECソフトが迅速に対応してくれるので、非常に助かっています」(本間氏)。
情報共有は、情報を入れる「箱」だけ与えられても上手くはいきません。ユーザー自身も運用を工夫し、より効果的な共有のあり方を考えることが不可欠と言えます。その意味で、KnowledgeWorldはまさにユーザーによって育てられてきたナレッジマネジメントシステムと言えるでしょう。

社内のポータルサイトから、KnowledgeWorld にシングルサインオン可能。
シングルサインオンのための情報は人事マスタと紐付けされている
システム担当より

NECソフト株式会社
ITシステム事業部
コラボレーションサービスグループ
プロジェクトマネージャー
後藤 和博
NECソフト株式会社
ITシステム事業部
コラボレーションサービスグループ
リーダー
吉村 健吾
お客さまの業種や部門によって社内で共有したい情報は千差万別です。情報を効率よく共有するためにも、システム側では日々現場から上がってくる要望に細かく応えていく必要があります。こうした柔軟性を実現するためにNECソフトでは、お客さまとの密なコミュニケーションを通じて社内の情報共有の課題を洗い出し、常に最新のニーズをシステムに反映できるよう心がけています。
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