
仲山高司
管理部情報システム課長
顧客との関係強化を図る精度の高い情報の一元管理
農業用機械の1つである防除機のトップメーカー丸山製作所は、農業を取り巻く厳しい環境の中で独自の技術開発力を発揮して市場をリードしていこうとしています。しかし、農家などエンドユーザーへの販売は、これまで販売店に委託していたため、顧客情報の管理が十分にできているとはいえませんでした。そこで、営業支援システム(SFE)を確立して営業担当者のもつ情報を共有化、さらにCRMシステムを導入して顧客情報の一元管理を図っています。これによって、大型機械などの顧客との関係強化や新たな営業戦略を展開することが可能になりました。
- プロフィール
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株式会社丸山製作所
- 本店/東京都千代田区内神田3-4-15
- 創業/1895(明治28)年
- 事業内容/農業用機械、環境衛生用機械、消防機械、工業用機械、洗浄用機械、建設機械、原動機、自動車その他農業関連車両の製造販売。

大型防除機「SSA-V1000C」
情報検索が可能な営業支援システムを構築
丸山製作所は、消火器のメーカーとして1895(明治28)年に創業した老舗企業です。その技術をベースに、圧力容器や高圧ポンプを開発し、薬や肥料を田畑に撒く農業用の防除機、工業用ポンプなどを製造しています。身近なものとしては、住宅や車の洗浄機にも同社のポンプが使われています。主なエンドユーザーは、農家、工場、ゴルフ場などです。営業が直接エンドユーザーに販売するのではなく、販売店を通して販売する方法を採用しています。最近はホームセンターでの販売も増えています。同社では、全国に26ヵ所ある営業所の営業担当者の行動を管理するため、以前から手書きによる週間報告書を提出させていました。それを有効活用するため、Webベースで情報検索が可能な営業支援システム(SFE)の構築をNECソフトの協力のもとに2000年の暮れから開始し、2001年5月にスタートさせました。

青柳 享 管理部
情報システム課員
「週間報告書のデータから参考になる情報だけを、営業管理部門がメールに載せていましたが、ほとんどは見られないままだったのです。その中には重要な営業情報も多いため、情報検索ができるシステムを作ることになりました」と、SFEを担当した青柳享さん(管理部情報システム課、以下同様)は説明します。
営業の一人ひとりが、売れる可能性の高い商品、エンドユーザーの動き、競合他社の動きなど、有力営業情報を入力し、そのデータを本店のサーバーで一括管理しています。Webにアクセスできる社内の人間なら、誰でも営業担当者のもつ情報を見ることができます。
社外からであっても、社員は自分のIDとパスワードを入力すれば閲覧が可能で、営業担当者が行動予定や行動実績を記入することもできます。検索は、あらかじめ設定された項目だけではなく、検索エンジンを使って、テキストベースで抽出できるようになっています。
農業特有の後継者や農作物の情報を管理

成田 章 管理部
情報システム課員
SFEの導入により、週報の有効活用、営業担当者へのコーチングなど、営業力の強化が図れるようになりました。しかし、重要な課題として残されていたのが、大型機械などを購入した大口顧客の維持・関係強化のための戦略です。大型機械の場合、5~10年に一度しか買い替えの需要が生じないため、確実に商品を販売するには顧客との関係強化が必要になります。しかし、顧客情報は営業が個人で持っているだけで、人事異動の際に引き継ぎがうまく行われず、ほとんど販売店任せだったのです。このため、需要を逃すケースも少なくありませんでした。このような営業機会損失を防ぐために、エンドユーザー情報を全社的に管理するCRMシステムが構築されました。
「これからの厳しい時代では、顧客が競合他社にシフトするリスクは大いにあり得えます。そのため、われわれ自身が買い替え需要の情報を入手し、販売店に提供して協力し合いながら営業活動を行わなければなりません。それには、顧客情報をきちんと管理していくCRMシステムが必要です」と、仲山高司課長は CRMシステムの重要性を強調します。
2001年10月からNECソフトの提案をもとに仕様を検討しましたが、最も苦労したのは、項目の精査とのことです。「顧客管理を行うには、データを使って具体的に何を管理するかを決めることが重要です」と、CRMシステムの開発を担当した成田章さんは語ります。農業関係という特殊な市場における精度の高い顧客情報管理を目指し、後継者や家族、農作物などの情報を組み込んだ独自のシステムを構築しました。市販のソフトではきめ細かな管理が不可能なため、既存のソフトをカスタマイズするのではなく、まったく新たにシステム開発を行ったのです。
営業の自主性を尊重したオープンなシステムへ
CRMシステムは、基本的に営業支援の一部なので、SFEと同じスタイルで作られ、営業担当者は同じ画面からどちらにもアクセスできるようになっています。また、セキュリティーについては厳重な設定がされています。
顧客情報は、名前や電話番号などからも検索できるようになっています。SFEと同様に条件を入力すれば、検索エンジンによって必要なデータを絞り込むことができます。欲しいデータは十人十色なため、検索に制限があるシステムでは不十分だったのです。また、項目の追加もシステム担当者ではなく営業管理部門が行えるようにし、営業の自主性を尊重したオープンなシステムを実現しています。
CRMシステム導入の成果としては、顧客のプロフィールをもとにサポートや関係強化に役立て、買い替え需要を逃さないようにしようという意識を営業が強く持つようになってきたことです。クレームの迅速な対応を図り、顧客の他社へのシフトを未然に防ぎ、リピーター率を少しでも高めるための強力な武器として機能しています。
今後はさらに営業効果を高めるために、洩れのない顧客情報管理を目指していきます。自社だけではなく競合他社の製品を持っている顧客のデータも積極的に取り込んでいき、市場をリードしていくためにCRMシステムの充実を図っていく方針です。

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