
佐藤達男 総務部部長
ICカードによる個人認証でセキュリティー強化と業務効率の向上を実現
今、多くの企業がセキュリティーの重要性を改めて認識し、様々なシステムの導入を進めようとしている。その際、セキュリティーも社内インフラの一部ととらえ、実状に即した形で足下から着実に固めていくスタンスが重要だ。
鈴与商事も、自らのセキュリィーレベルの把握に努め、脆弱な部分の強化と同時に業務効率の改善に挑んできた。数ある中から最適なソリューションとして選んだのは、NECソフトのICカードによる個人認証システムだ。
- プロフィール
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鈴与商事株式会社
鈴与株式会社の販売部門として誕生。約500 ヶ所の系列サービスステーションを擁し、日本初のセルフスタンドを開所させるなど、全国でも有数の実績を誇る石油事業が中心。その他にも、ガス、建材、化学品、情報通信など、幅広く事業を展開する。最近は、発電時に発生した排熱を利用するコージェネレーションシステムや燃料電池といった新エネルギーを中心に、最適なエネルギーシステムを提案するエネルギーシステム事業部、住宅設備を通してライフスタイルを総合的に提案する住宅設備事業などを立ち上げ、新規事業にも積極的に着手。
- 本社所在地/静岡県静岡市清水入船町11-1
- 創立/1990 年
- 資本金/20億円
- 社員数/510名(2003年8月現在)
- 拠点数/全国14 支店・2営業所、関連会社約30社
システムの現状を分析し、克服すべき課題を抽出
鈴与グループの中核を担う鈴与商事は、エネルギーや建築材料、リフォームなどを幅広く扱う商社として地域密着型の事業展開を行い、多くの顧客から厚い信頼を獲得しています。
その企業活動を支えるために、以前から情報システム化戦略を積極的に推進。2002年にはIT ツールとしてNECのEIP ※1 「StarOffice21 ※2 」を導入するなど、社内インフラの構築・整備を進めてきました。
「基幹システムと営業支援、帳票管理といった他のシステムをWebベースで連携させることで、地域密着型の事業を推進する当社の営業力を高め、顧客満足度の向上につなげることがITツール導入の主たる目的です」と話すのは、総務部の佐藤達男部長。導入されたEIPによって、一元管理された顧客情報へ素早くアクセスできるようになり、特に営業マンの事務執務時間の短縮による業務効率の向上に大きな成果を上げています。
一方、EIP運用の中で、新たな課題も見つかりました。「営業面での成果を受け、営業日報や帳票類の電子化の有効性に改めて気付きました。そこで、システム連携の機能強化を進め、全社的に情報共有を図ることが急務となってきたのです。この利便性の追求と同時に、システム停止や情報漏えいなどのセキュリティーにまつわる様々な問題から、自分たちの情報基盤を守る必要性も痛感しました。貴重な情報資産の流出を防ぐのはもちろん、これまで培ってきた社会的な信用を失墜させないためにも、危機管理体制構築の一環として経営資源を投下させる必要性を感じたのです」(佐藤部長)。
「セキュリティー強化」と「業務効率の向上」両者のバランスを保つためにICカード導入を決定
鈴与商事は、課題として取り組む大きなテーマに、セキュリティー強化と業務効率の向上を掲げました。しかし、この両者はコインの裏表に相当するもの。運用面を考慮せずにセキュリティーだけを強化してしまうと業務遂行に思わぬ弊害が出てしまったり、一足飛びに業務効率だけを推し進めるとセキュリティーが追いつかなかったりと、バランスを保ちながら問題解決していくのは困難です。
そこで、鈴与商事では「何をするために」「何が必要か」といったウォンツとニーズの明確化による現状把握から改めて着手し、セキュリティー強化と業務効率の向上、つまり安全性と利便性のベストバランスの追求に取り組んだのです。
「本社ビルやパソコンなどの物理的なセキュリティーを高めたかったのと、各種帳票類の電子化の推進、営業日報や勤怠状況といった就業管理を統合したいというウォンツがありました。そこで、普段から身に付けている社員証に、ID ※3 とパスワードを格納できるICカードを導入するソリューションに着目したのです」と話すのは、情報通信事業部の宮城島章文部長。
「セキュリティーと言えばネットワーク系に目が行きがちですが、ユーザー不在時の盗み見やパソコン本体の盗難による情報漏えいなど、物理的な面でのセキュリティー強化も必要不可欠です。そこで、ICカードによるパソコン起動制限システムを導入。さらに、その個人認証を電子申請時の電子印鑑や他システムへのログインにまで利用することで、ペーパーレス化やシームレスなシステム運用を推進し、業務効率の向上を目指しました」と経理部の大橋稔システム課長も続きます。
セキュリティー強化と業務効率の向上――この2 つの課題を一挙に解決するソリューションとして、鈴与商事はIC カードによる個人認証システムの導入を決定したのです。
入退館システムとの連携をはじめ、さまざまな場面で、ICカードを活用

1. 入退館からパソコン、
ネットワーク上の認証まで、
このハイブリッド・タイプの
IC カード1 枚でこなす。
2. 人事部のスタッフには、
本社ビルの施錠管理に加え、
ワークスペースへの出入りの
セキュリティー機能も
付加されている。
将来、業界標準になり得る技術的な動向を見極めるため、PKI(公開鍵暗号)は次の開発フェーズで導入したいという鈴与商事のニーズを受け、 2003年に導入されたIC カードは、接触/非接触のICチップと磁気ストライプを搭載したハイブリッド・タイプに決まりました。将来的な拡張性を踏まえ、接触部に DNP/Standard‐9 ※4 を採用。アプリケーションを搭載してグループ全体の社員用に約2000 枚を発行しています。
この社員証ICカードをベースに、EIPをはじめ様々なシステムと統合。セキュリティー強化の面では、本社ビルの出入り口に設けられたキーボックスとの連携で、誰がいつ出入りしたかを一元管理できるようブラッシュアップし、入退館管理の省力化とセキュリティー向上につなげました。
加えて、NECソフトのICカードデスクトップセキュリティー「SecureTrue(セキュアトゥルー)」を、社内で使用する約1000台のパソコンに導入。ICカードがなければパソコン本体が起動できなくなり、端末内のハードディスクに蓄積されたデータや社内ネットワークへの不正アクセスを確実にシャットアウトしています。
また、鈴与商事は自らICカード発行システムの運用に踏み切るユニークな取り組みも見せています。「破損や紛失に即対応しないと、業務を進められない局面を招く恐れもあります。そこで、システム導入を機にICカード発行システムも導入し、自前で発行業務に携わることにしました。初回発行が済むと、そう頻繁に稼働することはありませんから、導入が無駄にならないよう、少ロットのICカード発券ニーズに応えるサービスを新たに立ち上げています」(宮城島部長)。
- ※1 EIP
- Enterprise Information Portalの略。企業内に存在する複数のデータベースを横断的に検索し、従業員や取引先ごとに最適な情報を選択して提供する、企業情報ポータルシステムのこと。別々のシステムで処理されているデータ資源を一元化することで、より効率的な情報活用が可能となる。
- ※2 StarOffice21
- Web ブラウザーを利用し、企業内外の情報や各種業務システムへのアクセスを統合するワンストップサービスのポータルソリューション。SSOで一度ログインすれば、一人ひとりの業務にパーソナライズされた画面から必要な情報を取り出したり、利用したいシステムへアクセスが可能。企業・組織内のコミュニケーションや業務スタイルの変革を促し、企業経営のスピードアップを支援する新しいソリューション。
- ※3 ID
- identificationの略。本来は身分証明や身分証明書のことを指すが、コンピューター・ネットワークを利用する人を識別するための番号や略称としても用いる。
- ※4 DNP/Standard-9
- 共通鍵暗号(DES、トリプルDES)、公開鍵暗号(RSA)の両方式の併用により、ネットワークセキュリティーなどで要求される認証、デジタル署名、データの暗/復号化などの機能を実現するDNP製のICカードの方式。国際規格(ISO/IEC)、国内規格(JIS)に基づき、ICカードシステム利用促進協議会(JICSAP)が作成した「JICSAP仕様Ver.1.1 (広域・多目的)」をフルサポートした多機能タイプ。
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