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株式会社天野回漕店様

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小長谷 修誠
常務取締役

複雑多岐にわたる海貸業の業務を全体最適の視点から一元管理

さまざまな領域でIT化が推し進められている現在、外航海運、港湾運送、陸上輸送といった事業者が介在する海貨業の世界でも、政府の打ちだすe-japan計画を背景に行政手続きの電子化が実施されている。
そんな業界の流れの中、天野回漕店では1980年代から独自のIT化を進め、NECソフトとの連携の下、複雑な輸出入業務を効率化する“海貨システム”、物流と連動する“プレ経理システム”荷主企業とのデータ共有システムなど、常に時代に先んじたシステム開発が続けられている。

プロフィール

株式会社天野回漕店

“物流維新”をキーワードに活躍する、国際的な総合物流企業。輸出入に関連するあらゆる業務をワンストップで提供し、海運貨物・輸出入、海外製品・部品調達物流に力を入れた国際輸送&現地法人、最新の配送センターと多彩な物流メニューを提供。効率化な国内物流や各船会社の代理店として世界各地と連携した船舶代理業、あらゆる種類の保険を網羅する保険代理業など、多彩なビジネスを展開している。

  • 本部所在地/静岡県静岡市清水区港2‐9‐5
  • 創業/1800年
  • 設立/1923年5月29日
  • 社員数/430人(2005年4月1日現在)
  • 倉庫面積/125,789m2
  • 定温倉庫面積/4,291m2
  • 冷蔵庫面積/1,041m2

国際的な総合物流の場で活躍する創業200年超の海貨業の老舗企業

 1800年、江戸時代の寛政12年に創業した廻船問屋が前身という業界でも屈指の歴史と実績を誇る、天野回漕店。

 海貨業を中心に貨物取扱、通関、梱包、保管、運送、各種保険手続きなど、輸出入をつかさどる、あらゆる業務に携わる総合物流企業として、独自のトータル・ロジスティクス・システムを構築。実に200年を超える永い間に培ってきた国際物流のノウハウを基に、さまざまなサービスを提供しています。

 そんな同社は、NEC製の汎用機ACOSシステムを導入した1985年から本格的なIT化に着手。そのパートナーにNECソフトを選び、緊密な協業体制で事業運営の効率化に臨んできました。

自前の開発運用からNECソフトとの協業体制へ移行し全体最適化に臨む

 「1980年代初頭から主に海貨関連業務のIT化に取り組み、海貨向けドキュメントシステムだったNEC製の“SDS”を導入。在庫管理から輸出入、船積み、通関といった海貨業務のオンライン化などを進めました。この基幹システムをベースに管理部門をはじめ各部門のIT化にも着手し、現場の業務遂行の円滑化を最優先に部門最適化を図っていったのです」と話す小長谷修誠常務取締役。

 基本的に自社開発・運用でシステム化を進めていた同社がNECソフトとパートナーシップを組むことになったきっかけは「“SDS”が非常に業務に通じたシステムであり、業務を理解していることがよくわかったこと。そして、その運用フェーズで尽力してくれたNECソフトとの信頼関係のベースができたことが大きな要因です」(小長谷常務取締役)。

 しかし、システムの稼働から10余年が経ち、Web化やオープン化による一元管理が進む時代の趨勢の中、同社にも新たな課題が持ち上がっていました。「海貨業界の業務は非常に複雑多岐にわたり、煩雑。ゆえに、各部署のニーズに適時応えるかたちで、それぞれのシステムの機能強化を進めていました。その結果、天野回漕店全体で見たときにバラツキが生じることになりました。現場での業務を優先して構築してきたシステムの連携が、危急の課題になっていたのです」と総務部情報システム課の堀池雅志課長が語ります。 この改善テーマは、そのまま同社の中期経営計画に組み込まれ、2000年より全社的に解決へ取り組むことに。同社は第三者の立場から社内業務の流れを勘案できるNECソフトにシステムの分析を依頼し、一緒になって課題解決の道を模索しはじめたのです。

モノとカネの流れを精査し業務フローを再構築してシステム化

 まず、2000年4月のシステム分析で浮かび上がった課題は、情報連携の環境整備。そこで、同社とNECソフトは業務フローの見直しから手を付け、国際的な総合物流サービス提供のために不可欠なグローバルSCM※1体制の構築に臨みました。「情報システムは現場の各部門のものであるという考え方は間違っていないが、あくまでも経営と連動させることが重要。そんな考え方と実践法をいくつも提示してもらい、物流とマネーフローをリンクさせるシステム統合のプロセスには脱帽でした」(小長谷常務取締役)と振り返ります。 輸入~国内物流~輸出のロジスティクス・サイクルを強力に支援するSIとして、2001年10月より基幹システムのひとつである海貨業務の輸出システム開発をスタートさせた両社。2002年8月に、無事、本稼働を迎え、現在は輸入システムとの融合を目指した取り組みが進められているところです。

 併せて2003年4月より、基幹業務と会計業務の間で、海貨業界特有の立替や債権・債務管理といった業務の効率化を図り、複雑・煩雑なプロセスの迅速化を目指す“プレ経理システム”の開発に着手。2003年12月に一次システム、2005年2月に二次システムが稼働し、「同じ情報の二重、三重入力といった、これまで気付いてはいたもののどう解決するのが最適か悩んでいた子細な部分まで具体的に提案してもらいました。海貨の通関電算化システム、NACCS を手掛けるなど、通信ネットワークに豊富な実績やノウハウを持っているNECソフトならではのSI力だと思います」(堀池課長)と評価します。

さらなる業務改善でCS向上と独自サービスの提供を共に目指す

member
前列左から、総務部 情報システム課 石川 實 経理担当推進役、
小長谷 修誠 常務取締役、総務部 情報システム課 堀池雅志課長。
後列左から、総務部 情報システム課 安本 智様、望月 祐輔様、瀧田 光応様

 さらに同社では「荷主様に対する付加価値をどう高めていくか」(小長谷常務取締役)といったスタンスから、各荷主のシステムとの連携を図る開かれた環境の整備にも注力。2001年11月に浜松ロジスティクスセンターを新設(NECソフトは無線LANとバーコードによるインフラ整備を担当)し、 SAP R/3でSCMを実践するクライアントに個別対応する体制も構築しています。「NECソフトには、私たちと一緒に客先まで出向いてもらい、在庫管理のノウハウから、その情報提供のタイミングまで、非常に有益な提言をしてもらいました」(堀池課長)。

 今後は輸出入システムの一体化を筆頭に、営業シーンでのITの積極活用、上海やタイなどの海外ブランチとの財務データ連携、荷物がどこにあるかのリアルタイム把握などを実現する予定です。システム全体がより有機的なつながりを持って、品質向上を伴った新しいシステム環境の構築。同社の向上心は創業200 年を超えても衰えることを知りません。

※1 SCM
Supply Chain Managementの略。
受発注や資材の調達から、在庫管理、製品の配送までの一連の流れを最適化するため、それに関わる企業間で情報を共有しながら製品やサービスの流れを統合的に管理するシステム。

システム担当者より

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NECソフト 静岡支社 第三SI部 プロジェクトマネージャー
滝井 直人 システムアナリスト

江戸時代からビジネスを展開する老舗。そんなお客様の貴重なリソースに触れ、海貨業独特の業務フローを勉強させていただきながら「荷主に対する付加価値をどう高めていくか」という経営課題に向けて貢献できるよう、さまざまなSIサービスを提案してきました。今回の共同開発で生まれた輸出システムやプレ経理システムは、海貨業のデファクトになり得るポテンシャルだと感じています。この一連の成果をベースに、これからも業界が注目するようなソリューションを、お客様との緊密なコラボレーションで創出していきたいと思います。

NECソフトより

1980年代よりお取引のあるお客様との今回の共同開発は、私たちにとって非常に有意義なもの。常日頃からお客様の業務業態を理解して最適なソリューションの提案を心掛けている私たちの姿勢を理解していただき、貴重な業務ノウハウを共有させていただけたからこそ、お互いが納得できるシステムの構築につながっています。複雑多岐にわたる業務のシステム化はもちろん、部分最適化のシステム群を全体最適化したい海貨業の各企業様に、参考にしていただければと思います。

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